まもなくゴールデンウィークを迎えます。ご家族や友人など、予定をされている方も多いと思います。労働組合の運動として、各地方で開かれる連合主催『メーデー』に参加しています。
　さて、この『メーデー』とは、何でしょうか？今回もこころちゃんに教えてもらいましょう！

☆まずは、振り返えろう
　第１回目、労働組合の歴史についての記事がありましたが、皆さん読まれましたか？まだの方は、この機会に読んで頂ければ幸いです。
※閲覧には認証コードが必要です。

　産業革命時代から、労働環境は劣悪。低賃金・長時間労働（1日12～14時間）で、これを改善するため、労働組合が成立するきっかけとなりました。1886年5月1日、アメリカのシカゴを中心に8時間労働を求め、統一ストライキが行われました。元々、5月1日はヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」という祝日“May Day”でしたが、このストライキを起源として、労働者たちが集まって自分たちの権利を主張する日として欧米をはじめとして世界中に広がりました。今では”労働者の祭典”として、祝日としている国も少なくありません。

☆日本ではどうでしょう？
　日本でのメーデーは1905年、平民社主催の茶話会（さわかい）という形で実施されました。“お茶を飲み語りあう会”という、なんともほのぼのとした感じですね・・・

　ロシア二月革命（1905～1917年ロシアを社会主義国家にした革命）後の1917年、社会主義者（約30人！？）が集まったメーデー記念の集い。ロシアの影響でしょうか？労働団体がメーデーを開催したのは1920年、記念すべき日本の第1回目のメーデーは約1万人が上野公園に集まって開催されました。しかし1936年、二・二六事件の煽りを受け、メーデーは禁止されてしまいました。再開されたのは第2次大戦後の1946年、スローガンは「働けるだけ喰わせろ」。終戦直後ですから、当時の貧しい食糧事情が見て取れます。参加者は全国で100万人、皇居前広場だけでも50万人が集まり、デモも実施されました。その後、GHQの支配も終わった後の日本は主権も回復してきましたが、日米安全保障条約への反対がメーデーで訴えられ、デモ隊の一部が警官隊と衝突する流血事件も発生しました。この頃の日本のメーデーは、政治的意味合いが強くなっていました。

　1989年11月21日は連合の結成した日です。しかしこの数年前からはそれまで存在していた労働者団体の解散などもあって、1988年を最後に全国統一メーデーは開催されていません。しかし各地方でメーデーを開催し、現在でも毎年代々木公園では連合のメーデー中央大会が開催されて、2018年は約4万人が参加しました。スローガンは「平和・人権を守り、あらゆる差別をなくそう！働く者のための働き方改革をすすめ、すべての仲間と結集しよう！」です。各支部も加盟する地方連合の大会に参加しています。今年は第90回目を迎え、また同時に『令和元年』を迎える日でもあります。

　メーデーはその時代背景に合わせて内容も変化してきていますが、私たち労働者の権利主張の場であることは今も昔も変わっていません。今年も各地方のメーデーに多くの方が参加すると思いますが、このような背景があることを頭の片隅にでも入れながら参加すると趣きが変わるかもしれませんね。いろいろなイベントも同時開催されている地方も多いので、楽しんで頂きたいと思います。

　ちなみに、連合のホームページにもメーデーについての記事がありますので、お時間のあるときに是非お読み取りください。

☆祝日にならないの？
　欧米を筆頭に、5月1日は国民の祝日という国も多いです。しかし日本は4月29日が昭和の日（以前はみどりの日）と5月3日に憲法記念日で、もし5月1日を祝日に制定すると、4月29日～5月5日が7日連続祝日となります。そうなると、非常に困る業界があります。金融関係や役所などの公共機関・医療関係、郵便事業などなど、社会的問題が大きいとする意見も根強く、日本ではメーデーの祝日化の動きは鈍いと言えます（2019年は即位の礼のため祝日となって10連休ですが、どうなるのでしょうか？？）。ただし、企業によっては『労働者の日』として、5月1日を休日とするところもあり、その判断は企業ごとの考え方に委ねているのが実態です。

　ちなみにミツトヨでは、メーデーとしての休日を1日確保していて、就業規則にも明記されています。毎年の就業カレンダーを決める段階で、5月1日を休日にする、または土曜日などに当てるなどの検討を行っていますので、頭の片隅に入れて頂ければと思います。